焼き曲げ技術を活用した造船用鉄板の加工方法

2025.11.20

焼き曲げ技術を活用した造船用鉄板の加工方法

造船に使われる鉄板って、実はただの平らな板じゃないんです。船の形に合わせて、あの分厚い鉄板をぐにゃっと曲げる必要があるんですよね。そこで登場するのが「焼き曲げ」という技術。これは、鉄板を高温で加熱してから曲げる方法で、特に「ぎょう鉄」と呼ばれる厚みのある鋼板を扱うときに欠かせないんです。 じゃあ、なぜ焼き曲げが必要なのかというと、鉄板って冷たいままだと硬くてなかなか思い通りに曲がってくれないんですよ。無理に力を加えると割れたり、ひずみが出たりしてしまうこともあります。そこで、鉄板を赤くなるまで加熱して、柔らかくしてから曲げることで、きれいなカーブを作ることができるんです。まるで粘土をこねるみたいに、熱を加えることで鉄が扱いやすくなるんですね。 この焼き曲げの工程では、まず鉄板のどの部分をどれくらい曲げたいかを計算して、加熱する範囲を決めます。次に、トーチや専用の加熱装置を使って、その部分をじっくりと加熱していきます。温度はだいたい800度から1000度くらい。鉄が赤くなって、ちょっと光って見えるくらいまで熱します。ここでのポイントは、加熱ムラを出さないこと。ムラがあると、曲げたときに変な歪みが出てしまうんです。 加熱が終わったら、すぐに曲げ作業に入ります。大きなプレス機や油圧ジャッキを使って、ゆっくりと力を加えていきます。ここでも焦りは禁物。急に力を入れると、せっかく加熱した鉄板が割れてしまうこともあるので、慎重に作業を進めます。そして、狙った角度や曲線になったら、冷却して形を固定します。自然に冷ますこともあれば、水をかけて急冷することで鉄を曲げていきます。これも鉄の種類や目的によって使い分けるんですよ。 この焼き曲げ技術、実は職人の経験と勘がものを言う世界でもあります。温度の見極めや、どのくらいの力でどの方向に曲げるかなど、マニュアルだけではカバーしきれない部分が多いんです。だから、ベテランの職人さんが若手に技術を伝えていくという、ちょっと昔ながらのスタイルが今も残っているんですね。 こうして加工された鉄板は、船の外板や構造部材として使われていきます。海の上で何十年も耐えられる強さと形を持たせるために、焼き曲げという技術がしっかりと支えているんです。普段はあまり意識しないかもしれませんが、船の美しい曲線の裏には、こんな地道で熱い作業があるんですよ。

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